聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−

聖ヨセフの月

聖ヨセフ

 3月は聖ヨセフの月です。
 ヨセフについて、ヨセフ自身が語っていることばは福音書にはありませんが、ヨセフの人柄を彷彿させる場面がここかしこに描かれています。

 まず、ヨセフは「正しい人」であった。それは「イエスの母マリアはヨセフと婚約していたが、一緒になるまえに聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうとした」(マタイ1.19)とあります。このことだけでもヨセフがどれほどすばらしい人であったかがうかがわれます。

 その後も、イエスの養父としてマリアを支え、神のお告げがあれば、理屈を言わずにただちに従う心。ナザレに始まり、戸籍調査のためベツレヘムに行き、そこでイエスの誕生を迎え、それからエジプトへ避難する。母親と赤ちゃんを守ってナザレに帰り、労働者としての日々を過ごす。

 その生活の中で、一つのエピソードがあります。12歳のイエスと都に上り、神殿で迷子になったイエスを捜したときに「わたしが父の家にいるのを知らなかったのですか」と言われる。「両親はイエスのことばの意味がわからなかった」(ルカ2.50)とあります。

 わからないながら沈黙のうちに一生忠実を貫いたヨセフは、教会の保護者であり、家庭の保護者でもあり、臨終のときの支えでもあります。