聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−

高山右近ゆかりの地を訪ねて

聖パウロ女子修道会 シスター小尾朋子

高槻教会 高山右近像

 2月7日に殉教者として列福される戦国武将・高山右近の生涯をたどるために、彼のゆかりの地を訪ねました。右近が城主として治めた高槻の地は、よく知られていますが、彼の生誕の地と言われる大阪府豊能町高山は、陸の孤島と言われた山の中にありました。道を尋ねようにも出会う人もなく、教会もありません。右近生誕の地の碑は、八幡神社のある丘にひっそりと建立されていました。

 洗礼の地 沢城も、同じように奈良県宇陀市の山の中でした。秀吉や家康にその才を恐れられ、前田利家に愛された武将としての右近の生涯は、これらの地のように隠れたものであったように思えます。
 信仰を守るために身分を捨て、けっして派手な表舞台には立たず、しかし凛として変わることないその姿は、今も多くの人の心を引きつけます。

 「なぜ、それほどの強い信仰を持ち続けることができたのだろうか?」と思いながらゆかりの地を訪ねると、そこには“祈り”がありました。身分を捨てた後、長崎の島原半島にある有家のセミナリヨで、右近はイグナチオの霊操を行ったそうです。また、七尾の本行寺には、「右近修道所跡」が残っています。そしてマニラに流される前、右近は長崎のトードス・オス・サントス教会で二度目の霊操を行っています。彼のその祈りが、国外追放を受け入れるまでの強い信仰を支えました。

 右近ゆかりの地を訪ねると、そこに息づく右近の祈りと、自由に信仰できるわたしたちへの問いかけが聞こえてきます。「あなたは、主のために何が捨てられますか?」と。