聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−

聖パウロのテモテへの手紙

アルベリオーネ神父 1959.9

聖パウロ
聖パウロ

 使徒言行録は、聖パウロとテモテの出会いについて述べています。
 小アジアのリカオニア生まれのテモテは、聖パウロと出会ったとき既にキリスト者になっており、みなから非常に尊敬されていました。聖パウロは使徒職の同伴者・協力者として彼を伴うことにしました。このとき以来、テモテはけっして自分の師を離れようとはしませんでした。聖パウロの最初のローマでの囚われのときも、テモテは師に従っています。

 たびたび聖パウロは自分の代理としてこの忠実な愛弟子をあちこちの教会に派遣しました。また、ローマの囚われから釈放されてエフェソを通ったとき、そこの司教としてテモテを残しました。

 聖パウロはまた方々の教会にたくさんの手紙を書き送りましたが、生涯の終わりごろに、もう会うことができないのではないかと感じて、司牧者のつとめをどのように果たしたらよいかを教える手紙を残しています。その中でテモテに宛てた二通の手紙は非常な親しみをもって書かれており、忠実な協力者への愛に満ちています。彼はこの手紙で、自分がよい父親であることを証ししています。

 我が子テモテよ、あなたについて以前預言されたことに従って、この命令を与えます。あなたはその預言に力づけられて雄々しく戦いなさい。信仰と正しい良心を保ちなさい。  (Tテモテ 1.18-19)

 わたしはまもなくあなたの所へ行きたいと望んでいるが、今この手紙を書き送るのは、もしわたしが行くのが遅れるときは、真理の柱であり基であり生ける神の教会である神の家でどのように生活しなければならないかを知らせるためです。  (Tテモテ 3.14-15)

 年が若いということで、だれからも軽んじられてはなりません。むしろ、ことばでも行いでも、愛でも信仰でも純潔の点でも、信じる人々の模範となりなさい。わたしが行くまで、聖書の朗読と勧めと教えに専念しなさい。預言によって、また長老たちの按手によって与えられた、あなたの内にある恵みの賜物を軽んじてはなりません。  (Tテモテ 4.12-14)

 第二の手紙は、二度目のローマでの囚われのとき、すなわち殉教の少し前に書かれたものです。このころテモテは、先にも述べたようにエフェソの教会を司牧していました。パウロは自分の死の近いことを告げ、愛弟子を親しく教育し助けるため、また最後のときを共に過ごすために急いでローマに来てほしいと招いています。いつテモテがローマに到着したか、また、そのとき聖パウロがまだ生きていたかどうかはわかりませんが。

 この非常に優しい手紙は、自分の死と教会の将来についての予言に、勧告と個人的な便りを交え、この愛する弟子に、パウロ自身の模範に倣いつつ司祭職を清く果たして生きるようにと勧めています。そして福音の宣教と自分の義務の遂行にあたり、受けた教えを固く守りながら、いかに異端と戦わなければならないかを教えています。

 わたしは夜も昼も、祈りのうちに絶えずあなたを思い起こし、先祖からの清い良心をもって仕えている神に感謝しています。わたしはあなたの涙を忘れることができず、ぜひあなたに会って喜びで満たされたいと願っています。  (Uテモテ 1.3-4)

 だから、わたしの按手によってあなたが受けた神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。  (Uテモテ 1.6)

 わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。
むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。  (Uテモテ 1.8)

 この福音のためにわたしは苦しみを受け、犯罪人のように鎖に繋がれています。しかし、神のことばは繋がれていません。だからわたしは、選ばれた人々のために、あらゆることを耐え忍んでいます。彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです。  (Uテモテ 2.9-10)

 しかしあなたは、自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたはそれを、だれから学んだかを知っており、また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。(Uテモテ 3.14-15)

そして聖パウロは、自分の人生を次のように締めくくったのです。

 わたしは戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。  (Uテモテ 4.7)

 主イエスがあなたの霊と共にいてくださるように。恵みがあなたがたと共にあるように。  (Uテモテ 4.22)

 愛する弟子に書き送ったこのことばは、偉大な使徒であり著述家であった聖パウロが記した最後のことばです。