聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−

今日、聖パウロが生きていたら何をするでしょうか

アルべリオーネ神父

聖パウロ

 聖パウロが、今わたしたちの間で生きていたら、一つの火から燃え上がる二つの炎、すなわち、神と、神から送られたキリストへの熱誠と、あらゆる国の人びとへの熱誠の二つの炎で燃え続けることでしょう。自分の声を届かせるためには最も高い演壇に上り、自分のことばを増幅するために時代の進歩の手段を使うでしょう。

 聖パウロの教えは、冷たい抽象的なものであるはずがありません。一つの場所に行けば、一回の講演をするにとどまらず、そこに滞在して人びとの知性に語りかけ、その同意を引き出し、納得させ、回心させてキリストに一致させ、全面的にキリストに従う生き方に導くまでに養成していました。そして、その人びとが信仰を守り続けるという見通しが立ったとき、はじめてそこを出発しました。さらに、働きを続ける長老を立て、伝言や手紙でかかわり続け、近況を求め、彼らのために祈り、精神的にいつも彼らと共にいました。

 パウロ家族は、この聖パウロの心と働きを続けるために彼が興したものです。パウロ家族は、今日生きている聖パウロであって、多くのメンバーでできています。わたしたちが聖パウロを選んだのではありません。彼がわたしたちを選び、招いたのです。聖パウロは、自分が今生きているならしたいと思うことを、わたしたちにさせたいのです。

 彼が生きていたら何をするでしょうか。彼がりっぱに守り抜いたキリストの命令、すなわち、心と力と知恵を尽くして神を愛し、骨身を惜しまず隣人を愛しなさいという命令を守り続けることでしょう。彼は「キリストこそわたしのうちに生きておられる」(ガラテヤ 2.20)と宣言できるほどにキリストを生きていたのですから。

 聖パウロは、時代の進歩が築いた最高の演壇、すなわち出版・映画・ラジオ・テレビなどあらゆる手段を使い、愛と救いの教えの最大の宝であるイエス・キリストの福音を手にして働くことでしょう。彼は実にわたしたちの「モデル」となってくれました。

 聖パウロのめざましい働きにのみ目を奪われてはなりません。彼の偉大さの秘密はすべて、その内的生活にあります。偉大な清貧の精神、学び取る心、大いなる知識、イエス・キリストへの愛、克己の精神ですべてに勝利を得たのです。人の目に英雄に映るように、などと聖パウロに頼むのは無駄なことです。まず神のみ心にかなう者となる恵み、それから世の真っただ中にあって使徒となる恵みを求めなければなりません。

 聖パウロの友となるのは、彼を仰ぎ、その精神を知っている人です。彼の手紙と生涯をよく読んで深め、その徳に倣いなさい。彼はまことに神の人でした。恵みに満たされた卓越した人、特別な形で神の神秘を託された人、神にとりわけ恩義を感じていた人、「わたしに与えられた神の恵みは無駄にならなかった」(一コリント 15.10)と言えた人です。