聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



信仰年に、わたしたちはパウロの精神をどう生きるか −拒絶された「パウロの信仰」−W

聖パウロ修道会 鈴木信一神父

聖ペトロ大聖堂

 前回では、信仰を強調するパウロが大ブーイングを受けたとお話ししました。
 「わたしたちが救われるのは律法によってではない。信仰によってこそ、わたしたちは救われる」とパウロは言いました。この「律法によってではない」と言ったことが大問題になりました。

 イエス様は、「律法によってではない」とはけっしておっしゃいませんでした。これに対してパウロは「律法じゃない。信仰によってわたしたちはイエス様に結びつき、信仰によって救いにあずかるのだ」と、律法を捨てて信仰への絞り込みをしたのです。これがパウロ型の信仰の特徴です。これがパウロの新しいところであり、これゆえにパウロは人びとから大ブーイングを受けることになりました。

 わたしたちに伝えられた信仰は、イエス様が持っておられた律法を前提にした信仰ではなく、「律法ではなく信仰によって義とされる」というパウロ型の信仰です。この型の信仰を最初に言い出したのがパウロです。この意味で、パウロは信仰年の元祖なのです。

 わたしたちは「パウロのおっしゃっていることは正しい、何の抵抗もない」と感じますが、それは、わたしたちがパウロと同じ型の信仰を持っているからです。さらに言うなら、パウロと同じ型の信仰を持っているから、わたしたちも律法を守らないのです。

 「いや、わたしたちは旧約聖書を信じています」とおっしゃる方もおありでしょうが、実際のところ、わたしたちは律法を全く無視して生きています。律法には、食べてはならない食材がたくさん記されています。イカもタコもエビもだめ、貝類はすべてだめです。しかしわたしたちは全く気にしません。

 わたしたちはほんとう言って律法を守っていないのです。「律法によってではなく、イエス・キリストを信じる信仰によって救いにあずかる」というパウロの信仰理解が、わたしたちの信仰の基礎になっているからです。 (続く)