聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



信仰年に、わたしたちはパウロの精神をどう生きるか −拒絶された「パウロの信仰」−Y

聖パウロ修道会 鈴木信一神父

聖パウロ

 パウロの信仰理解は、ロマ書3章12〜28節によく表されています。
パウロの信仰理解の核は、「人が救いにあずかるのは律法によるのではなく、キリストへの信仰による」ということです。これがパウロの信仰の核です。

 こうしたパウロの信仰理解は、教会のなかにあって、理解されないばかりか、激しい反対にあいました。そのためパウロは、自分の信仰理解の正しさをわかってもらうために、皆が尊敬していたアブラハムを引き合いに出して説明しました。それがロマ書4章です。

 そこでパウロは「だれが本当のアブラハムの子孫であるか」を論じました。皆がアブラハムを尊敬し、アブラハムと神様との約束を信じ、自分もアブラハムの子孫として、その約束にあずかることを願っていたからです。

 パウロによれば、人がアブラハムの子孫となるのは、民族や部族によってではなく、律法によってでもなく、ただ信仰によってです。
 パウロの思考の出発点にあるのは、神様がアブラハムと結ばれた「救いの約束」です。この約束は、アブラハムとその子孫に与えられました。アブラハムは神様に対して「信じません」と言うこともできたのですが、彼は「はい信じます」と答えました。

 アブラハムはこの信仰の応答によって、神様の約束を受けるにふさわしい者とみなされ、信仰による救いの約束が結ばれ、同時に、のちに信仰の応答をするすべてのキリスト者の父とされました。アブラハムの決断は、信仰に基づくものであって、律法の原理に基づくものではありません。

 わたしたちも、イエス様を信じることによって、アブラハムの信仰に連なる者とされ、アブラハムが受けた神様の約束にあずかる者とされたと信じています。こうした信仰の理解を最初に言い始めたのがパウロです。(続く)