聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



パウロの娘たち―その起源と歴史的発展―

聖パウロ女子修道会 シスター三嶋邇子

1.女性たちの新しい夜明け

最初の女性たち

 2015年は、昨年の待降節から始まった奉献生活年であるとともに、わたしたちにとっては創立100周年を迎える意義深い感謝の年でもあります。一つの修道会の歴史を語ることは、救いの歴史を語ることです。聖パウロ女子修道会の歴史を振り返り、そこに表された神のご計画を観想することは、それはまたわたしたちの信仰体験を語ることでもあります。

 神からの招きに応えたアルベリオーネ神父のイ二シャティーブに最初に答えたマエストラ・テクラの信仰と熱意、それはわたしたち一人ひとりの召命への答えでもあるでしょう。
 このページでは、歴史をとおして神がわたしたちの修道会にどのように働いてくださったか、わたしたちはそれにどのように答えてきたかを、ご一緒に見ていきたいと思います。そして、それは今日どうであるか深い反省を促されるものであり、これからの聖パウロの娘たちを形づくっていくために新たな挑戦を呼びかけられるものであると思います。

 修道会が創立された1915年は、第一次世界大戦にイタリアが参戦し、歴史の中でも最大の困難の一つに遭遇していた時期でした。また、教会は世俗化によって反聖職者主義の社会に立ち向かうように「印刷には印刷をもって、集会には集会をもって……」と呼びかけていました。同時に、19世紀は修道生活が力を取り戻し、莫大な数の女子修道会が一度に創立された時でもありました。「いままで女性を妻、母とだけ見做していた伝統的な概念が危機に瀕し、女性は自分のアイデンティティーと権利に目覚め始めていました」(A.マルティーニ)。

 アルベリオーネ神父のカリスマが根を下ろす土壌とさまざまな環境、すなわち社会や教会の動きなどは知ることもないピエモンテ州アルバの田舎の少女たちにとって、印刷をもって反聖職的社会に対抗するという意識はほど遠かったでしょう。しかし、テレザ・メルロとともに、小学校しか出ていない少女たちが印刷をもって社会に声をあげていく第一歩を踏み出すのです。 (続く)