聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



使徒的神秘性  第5回

聖パウロ修道会 澤田豊成神父

使徒的働きをとおしてキリストの働きが実現する

使徒 聖パウロ

使徒の働き(=使徒職)とその実り

 前回見たとおり、パウロの使徒としての働き、福音宣教は、キリストとの内的でダイナミックな一致を土台としています。パウロの中で、キリストが生き、考え、望み、愛し、働いてくださるので、パウロの、キリストの使徒としての働きは成り立つのです。

 パウロの働きをとおして、見えないキリストの働きが実現します。具体的に言うと、パウロの福音宣教をとおして、見えないキリストが人びとにご自分の福音を宣べ伝え、働きかけるのであり、彼らが信じて受け入れれば、見えないキリストが彼らの中に入り込み、彼らの中で生きるようになるのです。
そう、パウロに起きたキリストの神秘が、パウロの福音宣教をとおして、他の人びとにも実現するのです。

 パウロは、この福音宣教の働きを次のように述べています。「あなた方は、わたしたちから聞いた神の言葉を受け入れたとき、それを人間の言葉としてではなく、神の言葉として−事実そうですが−受け入れてくれました。わたしたちは、このことを絶えず神に感謝しています。神の言葉は、キリストを信じるあなた方のうちに働いているのです」(Tテサロニケ2,13)。これこそ、パウロの「使徒的神秘性」の実りです。

使徒的働きの連鎖

 パウロの使徒的働きをとおして、パウロのうちに生きておられるキリストが働いてくださり、福音を受け入れた人びとの中に今やキリストが生きてくださるようになるということは、このキリストは彼らをも使徒的働きへと突き動かし、彼らの使徒的働きをとおして、さらに他の人びとへも働きかけてくださるはずです。

こうして、パウロのキリストとの神秘的一致と使徒的働きは連鎖的に広がっていくのです。「まさに主の言葉は〔テサロニケにいる〕あなた方の所から出てマケドニアやアカイアにまで響き渡った」(1,8)のです。