聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



使徒的神秘性  第7回

聖パウロ修道会 澤田豊成神父

キリストの内に共有される死と命

「わたしたちも信じ、また、そのために語ってもいます」(Uコリント 4.13)

使徒 聖パウロ

 このパウロのことばは、「使徒的神秘性」が強調された聖パウロ女子修道会の総会のテーマとして引用されたものです。実際に、Uコリント4・7〜15は、パウロが使徒として福音宣教をする中で、他のキリスト者を巻き込んだキリストとの神秘的関係をどれほど深めていったかを示唆しています。

 パウロは、福音宣教をする中で出会う大きな苦しみについて語ります。しかし、だからと言って倒れることはないことを確信しています(4.8-9)。それは、イエスの苦しみ、イエスの死にあずかっているため、イエスの命にもあずかることになるからです(4.10)。

 ここで、パウロは不思議なことを述べます。「そこで、死がわたしたちの内に働いていますが、命があなた方の内に働いていることになります」(4.12)。苦しんでいるのは、パウロです。それによって、命がコリントのキリスト者に与えられるというのです。パウロがイエスの死にあずかることによって、その命にもあずかるなら、キリストの内に結びつけられたことにより、コリントのキリスト者たちもイエスの命にあずかるからです。パウロは、それを「死がわたしたちの内に働いていますが、命があなた方の内に働いていることになります」と表現するのです。

 この神秘が実現したのは、パウロが信じることによって、キリストに結ばれ、キリストに駆り立てられて、福音を告げ知らせ、それによってコリントのキリスト者たちが信じたからです。だから、パウロは続けます。「信仰をもたらすその同じ『霊』をもっているので、わたしたちも信じ、また、そのために語ってもいます」(4.13)。
 パウロの使徒的働きの中で、パウロとキリスト者たちを巻き込むキリストの死と命の共有の神秘が実現するのです。