聖パウロ女子修道会 協力者会 −ともに福音を宣教するために−



使徒的神秘性  第4回

聖パウロ修道会 澤田豊成神父

キリストの使徒として福音を宣べ伝える

使徒 聖パウロ

キリストの「使徒」であるパウロ

 パウロは、神によって、そしてキリストによって選ばれた使徒であることを強調します。「人びとからではなく、人間を通してでもなく、イエス・キリストと、イエス・キリストを死者の中から復活させた父である神によって、使徒として召されたパウロ・・・」(ガラテヤ 1.1)。

 ところで、「使徒」とはいったい何者なのでしょうか。このことばは、「遣わす」「派遣する」という動詞から派生したもので、「遣わされた者」、「使者」という意味をもっています。しかし、それは単なる伝令や書状を運ぶ人のことではありません。むしろ、遣わす者の代理として、全権をゆだねられた特使のことです。「遣わされた者」のことば、行動はすべて、「遣わした者」のことば、行動とみなされます。だからこそ、「使者」は「遣わす者」の思いを深く理解し、自分のものとしていなければ務まりません。パウロは、キリストから遣わされた、キリストの「使徒」です。キリストの使徒として、福音を宣べ伝えます。

 パウロが宣べ伝える福音は、キリストご自身のことばなのです。「わたしが宣べ伝える福音は、人間によるのではありません。わたしはそれを、人間から受けたのでも、教えられたのでもなく、イエス・キリストの啓示によって受けたのです」(1.11〜12)。

キリストと一体となった使徒として

 しかし、パウロがキリストの「使徒」であるとは、それ以上の意味をもっています。今や、「キリストこそわたしのうちに生きておられる」(2.20)からです。キリストがパウロのうちに生き、この内的でダイナミックな一致が実現することによって、パウロが使徒として福音を宣べ伝えるとき、パウロがキリストのことばを語るだけでなく、パウロのうちにおられるキリストが、パウロを通して、パウロとともに、ご自分のことばを語られるのです。